お散歩その一

長めのお散歩から帰ってきた。
今日は天気が良かったので、いつも行く、トレイル(南北に細長く広がるでっかい公園と思ってもらえば)の北の方へずっと歩き続けてみた。往復2時間あまり。ちっと疲れた。


野道に入ってすぐの所に、狐の亡骸が横たわってた。なんてこと!昨日までなかったから、夜の間に死んだのかな。悲しい。おそるおそる近寄って観察してみたけど、死因は分からなかった。でっかいでっかい蠅や虻が周りをぶんぶか飛んでいた。
体が小さめでまだ若い狐のようだった。心無い人が射ったりしたのだろうか。だったらすまん。すまんよ。狐。


そのすぐ後、後ろから女の人と黒いわんこが歩いて来た。わんこはつながれてなくて、私に興味を示して近寄って来たので、彼女が「大丈夫、なにもしないわよ」と声をかけてきた。「あ、自分も犬飼ってるから、大丈夫です」と笑顔で答えたら、「あの狐、なんで死んだのかね」と。さっき狐の前で叫んだとこを見られていたらしい。「わかんないです、すごく悲しい」と返したら、「きっと毒を食べたのよ」と言いつつ先へ越して行った。「そうかもですねー」とつぶやいて見送った。


実は、この女の人には前一度会っていた。私がわんこと散歩していた時で、(今日は連れてかなかった)彼女は手にウェイトと犬の紐を持って手を振りながら闊歩していて、私は通り過ぎに笑顔で会釈したら、無視されたみたいだったのだ。あーツンツンした感じの人だーと思っていたけど、今日狐のおかげでちょっと会話できた。
狐、ありがとう。狐、すまんよ。成仏するんだよ。ナンマンダナンマンダナンマンダ。(お念仏を三度唱えると成仏する、ってなんか昔教わったような、イヤ今仏教徒、てわけじゃないけど、これ道端の亡骸とか見ると絶対やる)
もうしばらく歩いたら、誰かが作ったらしい、木切れとブロックのお墓があった。たぶんこれも何か野性動物の墓だろう。助けてウチに連れて帰ったけど、死んでしまった小鳥のことを思い出した。成仏するんだよ。ナンマンダナンマンダナンマンダ。


どんどこ歩く。今日はこっちでの祝日みたいなもんなので、けっこう歩いてる人がいる。挨拶してくる人もいれば、なんもしない人もいる。でもだいたいほとんどの人が笑顔で「Hi」と言ってくれる。
これ、すごく嬉しいんだ。トレイルに来ると、それでけっこう幸せになる。


日本でも、山に登ったとき、「山で会う人には挨拶をする」というのがあって。皆笑顔で、「こんにちはー」と言い合って登っていく。山の中ではみんな仲間。その意識がなんかすごく嬉しかった。
こっちでは、けっこう知らない人でも道で会うと笑顔で挨拶する。しないひともいっぱいいるけど、する人の確率は日本より絶対高い。来てすぐはぎこちなくてなかなか出来なかったけど、今は大分慣れた。ニコニコして「Hello」と言える。日本でやったら変な人だ。


さて、どんどか歩いて、前に来てそっから引き返した地点に来る。
今日はもっと進むのだ。トイレが近いので少々心配だったが、厚着をしてきたのがきいているようで大丈夫だ。見たことのない景色。周りをくるくる見回しながらどんどこ。
メッシュ地のトレパンをはいていたら、その上から刺されたみたいで、オシリがかゆくなった。人が居ないのを確かめながら、尻をかきかき、どんどこ。(爆)


大分歩いて、足も痛くなってきて、そろそろ引き返すことにする。一時間ちょっと経っている。いつもは一個で十分のCD、今日は予備を持って来ていた。二個めに入れ替える。
帰り道はちょっと辛かった。疲れが出て、足取りが重くなりがちなのを、一生懸命リズミカルにキレイに歩くよう努力する。音楽聴いているとかなり助かる。


次来るときは、おにぎりでも作って、途中で食べて休憩することにしよう。低血糖ぎみだから、行く前にしっかり食べるか、途中で食べるかしないと、ふらふらする。
おにぎり。ああおにぎり。考えたらものすごーく食べたくなった。帰ったら作って食べよう。


無事家についた。いい散歩だった。明日はおべんとう持って、反対側のほうへどんどこ行ってみよう。