ひとり


ひとりは寂しい。
気を使わなくていいから楽だけど、静かで、寂しい。
ひとりは怖い。
やって来る未知の未来に、立ち向かうのは、自分一人だ。


ひとりに慣れていた、昔、学生だった頃。
どやって生きていたのか、もうあまり思い出せない。
気楽で脳天気で、幸せだったような気もするが、いつも空っぽの箱を抱えて、なんかを探していたような気もする。

今はもっと色々出来る。昔に比べたら。やろうと思えば。
やろうと思えないのが問題。何故、やろうと思えないのか。やれないのか。自分の為に。


心から独立するのには、どれだけかかるのだろうか。
斎藤隆介さんの、「ゆき」に出て来た臆病な村人のように、自分で物事を決めないといけないとなると、誰か他に決めてくれる人を探してしまうのは、自分が弱っちいからだ。


去年は耕す時期。今年は種を蒔く時期。
種は、この決心だろうか。
もちょっと強くならないと、人生一度のこのチャンスが水の泡になってしまうかもしれないんだ。

未来のことなんて全然分からないけど。
分からないから怖いんだけど。
確かなことは、自分がまだ未熟でダメだってことだから。
自分を強くしながら生きて行くしか道はない。


どうやったら強く成長出来るのかを、今少しずつ探っている。
自分という人間を客観的に見れたら、それは可能か。
置き去りにしてきたもう一人の自分。
彼女の目を借りれば、それは可能か。